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2010年ー2011年ー2012年 ー日々の思いー

 


 今、古代のパノラマが見えています


 ここまで来るのにどのくらいの時間を費やしたのだろう。しかし、このような時を味わえることに感謝しています。残念ながら、その間にグレ猫さん(ライトグレーの毛並の猫)が「幸せの国」に旅立ちました。

                                                2012 6/29

 


 久しぶりに香港A型にご対面


 15年ぶりにインフルエンザにかかりました。香港A型、ほんとうにしつこい風邪です。今は完全に回復しましたが、少々無理をしたのがたたったのだと思います。皆さんも頑張り過ぎず体をいたわってやってください。とにかく油断は禁物です。

                                                 2012 2/20

 


 マイライフスタイル


  毎日寝るのは朝方の7,8時頃です。いつも原稿用紙に向かって小鳥の声を聞く、何か物書きのような生活ですが、踊らないと体が軋み出します。そして、踊り始めると何とも心地よい、食事の時間も忘れついつい何時間も踊ってしまいます。そんな私の生活を知ってか知らずか、ありがたくも中高年の研究生からの差し入れが多いのです。ふと、「お布施」で生きているような気さえしてくる今日この頃です。

                                               2012 1/9


 「なでしこジャパン」優勝おめでとう!


  身もこころも一体となったプレーに時を忘れました。勝利の女神は、あなた方を選び微笑んだのです。

勝利の女神が「微笑む瞬間」とはどういうことかを忘れずにさらにたくましく生きてください。

 P.S.  商業主義にご用心。

                                               2011.   7.19


苛酷な現実


 200年後の世界の風景が見える。荒涼とした大地に点在するおびただしい石棺の群れ。石棺はひび割れ、漏れ出たセシウムやプルトニュウムまじりの風がむなしく吹きわたる。原子炉の墓場の光景である。

 いまだ制御するすべも見出せない幼稚な科学のレベルであるにもかかわらず、おごりたかぶり、目先の欲にまかせて暴走したおぞましい人々の行為の結末だ。

 原子の火は、宇宙の始原と生成,消滅のレベルの火である。人間の欲ごときで安易に弄んではならない。いわば神の火とでもいうべきものに後先も考えず手を出してしまった。悲劇はここから始まった。

 思えば、チェルノブイリ原発事故がその序章であったのだ。その反省もないままに、今回の福島原発事故が第1章のページを開いた。

 確実に、世界と文明は死への歩みを始めている。

 かつて、地上の生命体は猛毒ともいうべき酸素を逆に取り込み、生きる活路を見出した。そのように、猛毒というべき放射性物質を逆に取り込み生きる革命的な生命体へと進化を遂げでもしない限り、私たちの未来はないように思える。

 だが、ああ、何百万年かかるだろうか。

 苛酷な現実。

 しかし、私は、それを見すえながら、覚悟を決めて、それでも今を力強く生きたいと思う。人間として、今為すべきことに最善をつくし、一瞬一瞬をきらめかせながら、やがて生命が終わるとき、よく生きたと言えるように。

 

                                            2011.   5.14


じぃじねこさんー


 久しぶりにじぃじねこさんに会いました。オープン・ガレージの車の下で身を丸くしていました。じぃじもまたノラさんのようですが、ある家族にやさしく見守られています。出会って1年。以前住んでいたあたりで見かけた人なつこいねこにそっくりなので、とくに気にかかるねこ友達の一人となりました。この1年で、彼はずい分老いた感じです。年をとったねこは顔がビショビショになりますが、彼もそうです。人間の1年はねこにとっては4年ほどになるといいます。彼に残された時間はもうあまりないように見受けられます。せつない。それでも、大きな声を張り上げてニャオニャオと呼びかけてくるのが、うれしくもあり、また余計にせつなく感じられます。残された時間ができるだけ幸せにあふれていますように、と祈らずにはいられません。

 

                                               2011    1/16 


ー太古の時を彷徨うー


 現在、古代史を執筆中で、太古の時を彷徨っていますのでなかなか日々の思いを綴る時間がありません。

 

                                              2010 12/12


 ーグレねこさんー


 グレは背中から後頭部にかけて明るいグレーの毛並みが美しいネコさんです。

 いつも、ある家のオープン・ガレージで昼寝をしています。また、ほとんどいつも誰かに頭をなでられています。ゆったりとくつろぎ、人にうちとけている姿から、その家の飼いネコだとばかり思っていました。ところが、実はノラさんなのだということです。ボウルに水を入れてやさしく世話をしているある母娘がそう話してくれました。

 ネコさん、ネコさん、と呼びかけるのが私の流儀ですが、グレは今では、私の姿をみとめると大きな声でニャオ、ニャオ呼びかけながら私の方に近づいてきます。チーズが大好きなグレに会うため、いつもバッグにしのばせているのですが、つい忘れて家を出てしまったことがありました。待ってて、取ってくるから、と言って大慌てで引き返してくると、グレはネコではありえないような大声で、私を呼び続けていました。その心の開き様が尋常ではないのです。今まで一度も人に嫌なことをされたことがないのでしょう。あるいは、神か天使が宿っているのかも知れません。

 幸せなノラさん!

 しかし、今夏、グレはめっきり老いた風情です。残された命はもうあまりないように思えます。だから、なおさら愛しく感じられるのでしょう。

グレ、お友達、明日も会おうね。

 

                                                   2010  12/11


ーついに終わった!ー


 先週の日曜日、7月25日に私の著作「フラメンコ、この愛しきこころーフラメンコの精髄」の講読を終了しました。開始は2005年の春ですから足かけ5年にわたる長いシリーズとなりました。当初は1,2年で終えようと思っていたのですが、暖かい季節だけの月1回のペースの上に、忙しくて行えない年もあったためです。

 今の段階での丁寧な解説は、ある程度できたと思っています。また私の予想を越える数の研究生が最後までついてきてくれたのも嬉しい限りです。バイレにも熱心に取り組み、着実に力をつけてきている彼らは、やはり、より踏み込んだフラメンコへのアプローチをするものなのですね。本質、つまり根底からそれを知り、捉えたいという欲求が芽生え、それにつき動かされているとでもいうようなことです。

 スペインのことわざに、Saber es amor、つまり、知るということは愛すること、というものがあります。何かを好きになったら、もっと、いやとことん知りたくなる。恋愛のことを考えてみるとよくわかりますね。好きになった人のことはもっと知りたくなる。それと同じです。

 最後は、第5章の終り近くに出てくるアフリカのグウィ族が行う不思議な会話の仕方を実演してみました。言葉の意味ではなく、音の肌触りで心を伝えるやり方の一つです。数人が同時に、今他者に伝えたいと思っていることを各自が一気にしゃべりまくるというやり方です。スタジオ中が不協和音の大洪水のようになりました。私達があたりまえと思っている会話、言葉のキャッチボールの方法とはあまりにかけ離れているので、はじめはとまどっていたみんなも、その何とも言えない面白さに、全員大笑いとなりながら、講読会を終了したのです。笑い声はさらにその後の打ち上げパーティーまで続きました。高円寺界隈では一番と噂のお寿司をいただきながら、そして、なぜか、古の飛鳥、天平の食べ物、サメの肉、醍醐、フランスのパリ界隈の話、アルプス登山と落雷、また、ワールド・サッカーの優勝者スペインのクールなゴールキーパーの話など、脈絡もなく飛び交う会話と笑いの後に元気にパルマでのシメとなりました。

 この講読シリーズの途中で急に天に召されてしまった高野香子さんが私の傍らで本当に嬉しそうに笑う姿も、私にははっきりと見えました。

 

                                              2010  8/1     


 ーテアトロでビデオ撮影ー


 

 6月10,11,12,13日  6月10日から13日までテアトロでビデオ撮影に入ります。内容的にも、

映像的にも思いっきり刺激的で実験的なものになるはずです。

 ベースは、二つの私の心象風景。私には幼いころから少しずつ形作ってきて、いつの間にか

私の下意識の基盤になっている原風景とでもいうものが二つあります。

 それは、現実の光景に重なって、遠景となったり近景となったりしながら、いつも私の眼に

あるいは脳裏に浮かぶものです。一つは右前方に他方は左前方に、時にはくっきりと、時には幻

のようにおぼろげに観えるものです。それが今回のバイレのテーマです。具体的にどのようなもの

かは・・・出来上がったビデオが明らかにします。

 

                                                                           2010 6/4 (金)


   ー猫の友だちー


 ミーミ、グレ、ジージ

ネコさん、ネコさん、と呼びかけると返事をする。

それどころか、ミーミとグレは私の姿をみとめると、彼らの方からニーニャと呼びかけ鳴きながら、

私の方へ歩み寄って来る。

 4月の終わり頃のある真夜中には、ミーミは私の家までついて来た。「困ったらうちにおいで飼ってあげ

る」と呼びかけた日の夜のことだった。有頂天の私に、「覚悟しなければ・・・」という家人。一瞬ためらっ

た。鳴いて呼ぶミーミにチーズを玄関先であげた。しばらくするとミーミは去って行った。

 わずかな間で、ミーミは私の迷いを察知したのだ。

今は、真夜中の神社の境内で私を待つようになった。足音でわかるようだ。

ミーミの好物はハム。チーズはあまり関心を示さない。以前の飼い主だった老女は、時々ミーミにハムをあ

げていたのだろうか。彼女に突然死なれて、一人ぼっちの野良猫になってしまった境涯をミーミはどうやって

耐え、しのいでいるいるのか、そのことを考えるたびに涙がこぼれる。

幸い、老女と親しかった女性が一人、毎日ミーミにドライフードをあげている。

その女性の話では、神社の境内を掃除する小さいおばあさんがミーミをほうきでぶつそうだ。

神社の庭で、猫のくつろぐ姿は趣のある優しい風景なのに。

でも、真夜中には、ぶつ人もいない。

ミーミは今夜も、灯ろうの明かりの中で私を待っている。

 

                                                                         2010  5・16       晴

 

 


ー2010年 立夏ー


 最近、神社から出てくる猫とお友達になりました。

名前はミーミと言います。少し前、飼い主だったおばあちゃんが亡くなったそうです。

 

                                                                                 2010年 立夏