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2020年8月

〇  愚か者の言葉は、いつも人々の間を引き裂き続ける。 詩経・小雅

 狂った時代の狂った夏。シベリアの永久凍土がついに溶け出した様をTVが映し出した時、まず私の頭に浮かんだのは、封印された過去の未知のウィルスも解き放たれたかもしれないということでした。開けてはならないパンドラの箱のふたが今、開かれてしまった・・・。それは恐ろしい画像でした。

 猫なら、見なかったことにして、短いその一生をやり過ごそうとするかもしれませんが、私は人間であり、また、事は人類の不始末、愚かさの結果ですから、ここは覚悟するしかありません。人間(じんかん)を裂く暇など、すでに残っていないのです。最悪の事態まで射程に入れて、「コギト」(私は考える)しつつ、腹をくくって「スム」(在る)。生きる密やかな決意の確認です。

 ここで静かに「コギト」を終えようとした時、私の元気なラビ猫さんが一言あると言い出しました。猫語を解読するとこうなります。ー権力闘争などやっている場合か、時代遅れだ、ニャーッ。

 

                                           2020  8/30