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2021年4月

 花水木と満天星(ドウダンツツジ)が、レモンの実と競い合うかのように咲き誇る、今は春。出口の見えない戦場の春。コロナ感染拡大の第三次は、大半の国民の自主的な防御の努力で、何とか沈静化しつつあったかにみえましたが、根本的な検査等の対策を欠いているために、結局、言葉遊びによる印象操作としか思われないグダグダの策を為政者らがひねり回しているうちに、ついに恐れていた変異株付きの、第四次のステージに突入してしまったということは、周知の通りです。

 しかし、若年層が突破口を開いてしまったですって?早春の行事、コンパ等が原因ですって? では聞きましょう。いくつの大学の、どの学部の、何人の学生、卒業生による、どのような形態の会食が原因となっているのでしょうか。その点については、他称「専門家」の意見や、マスコミの報道によっては、データや、その科学的分析が何一つ明らかにされていないのが実情でしょう。午後2:00のTVカメラに映るのは、若者ばかりといってみても何の根拠にもなりません。「大人」は何らかの形で、会社や自宅で働いていて、営業職など以外に街角をふらつくはずはない時間帯ですから。しかも、職場内感染はないとでもいうのでしょうか。夜の街を際限なく騒ぎ回るのも、若者たちだけではないでしょうし、TVカメラが捉える、そうした若者の数も、全体に比べれば、雀の涙ほどのものでしょう。大半の若者は、悲しいほど律儀に、為すべきこと、マスク、手洗い、自粛を続けているため、TVカメラに映ることなどあり得ないのです。多くの若者は、未熟な場合があったとしても、「大人」と同じような倫理観をもって、心が折れるような苦しみを抱えながら、片隅で、けなげに戦っていることは、千葉大の食料無料配布所に並ぶ学生の姿をみても明らかでしょう。

 ちなみに、昨今、多人数での送別会、会食が次々と明らかにされているのは、身を正し、範を示すべき大小の政治家や行政官らだというのも皮肉な話です。

 第三次のピーク時に、夜酩酊して、ポリスに補導されるところをTVカメラに捉えられた数人の若者の一人は、呂律の回らない言葉でこう話していました。ー「ぼ、ぼ くは、今日、会社をクビになりました。…ぼ、ぼくたちは・・・し、しあわせじゃ ないんです」

 彼は、今どうしているのでしょうか・・・・・・・・

 

                                 2021  4/8